最高の体調を作るために 鈴木祐著「最高の体調」を読んで

「最高の体調」鈴木祐

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 この本は、文明の進化によって起こっている遺伝子のミスマッチに対し、現代においてどのように対策していくことができるのかが書かれています。

元来人間に備わっている遺伝子は、近代化によって出現した生活様式や文化、製品などにはうまく対応できるようになっておらず、これが様々な不調に繋がっているそうです。このような不調は文明病といい、集中力の低下や肥満、鬱などを引き起こし心身を蝕みます。解消するためには私たちの祖先である狩猟採集民の暮らしをヒントにして、彼らの生き方を現代に応用していくことが必要です。

6つのテーマで様々な不調へのアプローチ方法が紹介されており、どれも科学的根拠に基づく内容になっています。

その中から、参考にしたいと思った部分を紹介していきます。

・4章「環境」

人間は環境に大きく影響を受けるため、環境を整えることは大切です。そこで、最高の体調を作るための環境としては自然の効果がとても大きいようです。自然には副交感神経を活性化させる働きがあり、疲労回復、リラックス効果が期待できます。実際に自然がある場所へ行かなくても自然の画像を見たり音声を聞いたりするだけでも良いそうです。この影響力の大きさの理由は、自然が感情システムをバランス良く刺激してくれるため。感情システムとは、人間の心の動きを3分類する考え方で、興奮、満足、脅威の3つで構成されています。

1つ目の「興奮」は、ドーパミンという神経伝達物質によって喜びや快楽などのポジティブ感情をもたらします。2つ目の「満足」は、オキシトシンによって安らぎ、親切心といったポジティブ感情をもたらします。3つ目の「脅威」では、アドレナリンやコルチゾールによって不安、警戒感をもたらします。

この3つがバランス良く機能することで高いパフォーマンスを発揮できるそうです。

余談ですが神経伝達物質のことを良く知らなかったため相当ざっくりですが調べてみました。脳内には多くの神経細胞があり、この神経細胞へ感情、記憶などの情報を運搬するのが神経伝達物質だそうです。合ってるかな?もう少し詳しく勉強できそうです…wikiを見てみましたが頭痛くなった😓

・5章「ストレス」

狩猟採集民の暮らしで起こるストレスは、現代とは違い急性的なストレスでした。例えばサバンナなどで猛獣に遭遇するなど、その瞬間に限られたストレスです。しかし現代では慢性的なストレスの方が多いですよね。それは職場の人間関係や老後、健康面の不安など様々です。これは2章「炎症と不安」にあるように農耕という文化が現れたことで時間感覚が変化していったことが原因の1つではないかと思います。未来の感覚を持つようになったことで、どうなるかも分からない先のことを意識しすぎるようになってしまい、それがぼんやりとした不安になっています。この章では、こういったストレスに対処していくための方法がいくつか紹介されています。睡眠の質を上げる、デジタル断食など色々ありましたが、リアプレイザルは初めて聞いた言葉でした。

リアプレイザルとは、緊張したりイライラする出来事があってストレス反応が出始めたときに「楽しくなってきたぞ!」と自分に言い聞かせる行動のことです。そうすることである程度怒りや興奮の感情はおさまります。使えば使うほどストレスに強くなるという研究もあるそうです。

これは日常生活でも取り入れたいなと思いました。少しのことでイライラしてしまったり、相手を責めたくなってしまって後から反省することも多いので、リアプレイザルを実践することで穏やかな気持ちを保つことができれば良いなと思います。

・7章「死」

 この章では、いつ訪れるか分からない「死」への不安をできるだけ減らしていくために出来ることが書かれています。ここで紹介されている「マインドフルネス」のあり方にはハッとさせられました。マインドフルネスという言葉は知っていましたがどういう意味なのかは全く知りませんでした。この本では「マインドフルネスとは心を無にするような困難に挑むことではなく、たんなるリラックスや幸福感の言い換えでもなく、スピリチュアルや宗教的な至高体験でもない、ごく日常的な意識のあり方です。」と説明されています。マインドフルネスな意識とは、「その時の感情を自覚している」「いまの状況に集中できる」「つねに自覚的に作業を行う」といった状態だそうです。

自分にはこの意識がほとんどないことに気付き、それも疲れの要因になっているのかなと感じました。私の毎日を振り返ると、ほとんど常に今の状況に集中できていない状態です。何かをしながら次にすること、明日すること、来週すること、これからやりたいことなんかをいつも考えていて、その時その瞬間にやっていることがおろそかになっている気がします😓お風呂に入るとき、食事をするとき、カフェでお茶するときなど、その瞬間を楽しめる事象でさえも先のことばかり…確かに未来がノープランではダメだしある程度の段取りができていた方がスムーズにいくこともあるんですけどね。こう考えると、楽しめることって日常に沢山ありそうだなと思います。買い物や病院に行く道中はお散歩を楽しんだりできるはず。本当、先のこと考えすぎ問題です!!ながらスマホ、今を楽しめないからダメ絶対!!

この対策として自己観察の力をつけることが必要になってきます。認知行動療法の1つであるタイガータスクやマインドフルネスイーティングなどが紹介されていました。

何かをする際に、その作業に意識を向けること…なかなか難しいですが実践していきたいです。

本を読んで実践していきたいこと

・日常生活に自然と触れ合うことができる環境を取り入れる

近所に大きな植物園があるので定期的に通ってみようと思います(夏以外)あとは身近な公園に行くことも日常的にできそうです。あとはたまに大自然がある所へ旅行なども良いですが乳児がいるため少し厳しいですね。

家庭内では、植物を育てることは以前からやってみたいと思っていたのですが虫のことを考えると躊躇してしまう…本当は家庭菜園にはとても興味があるので、虫があまり付かないものを調べてみます!

・リアプレイザル

良くないことや思い通りにいかないことが起こったとき、意識的に考えられるようにしたいです。毎日上手くいかないことが多くても諦めない気持ちが大切ですね。

・自己観察力を育む

「いまここ」に意識を向けるために、ながら食べをやめてゆっくり味わいながら食事をする、ストレッチ中はストレッチのことだけに集中するなど。集中力をつけるために必要なことはもっとありそうなので、調べてまとめられたら良いなと思いました。